中國江蘇省(Jiangsu)南京市(Nanjing)にある中國薬科大學は25日、同大學薬學院の洪浩(Hong Hao)教授の研究チームが長年の研究により、TGR5と呼ばれる受容體がうつ様行動と関係があることを発見したと明らかにした。新たな抗うつ薬開発の道筋を開くものと期待される。研究成果はこのほど、生物學的精神醫學分野の國際學術誌「BiologicalPsychiatry」に掲載された。
論文責任著者の洪氏によると、うつ病治療薬は主にモノアミン係神経伝達物質に関する學説に基づいて開発され、種類が増えているものの有効度が低く、効果が現れるのが遅く副作用が大きいことや、服用をやめると再発しやすいなどの問題點がある。
洪氏は「新たな視點からうつ病の発症メカニズムを明らかにし、新たな分子標的を見つけ出して、より効果的な治療薬を開発することが急務となっている」と語った。
研究チームはここ數年、中樞神経係におけるTGR5の役割に注目してきた。研究の結果、うつ病に似た症狀を示したマウスの場合、CA3錐體(すいたい)細胞におけるTGR5の発現レベルが有意に低下し、その度合いがうつ病の重症度と関係していることや、TGR5の発現量を増加させると、マウスのうつ様行動が有意に改善されることが明らかになった。
洪氏は「これらの結果から、CA3錐體細胞のTGR5がうつ病に関係し、うつ様行動を抑えることは明らかで、脳內のTGR5を増やすことで抗うつ効果が得られる可能性を示している」と説明した。研究チームは今後、中樞性TGR5アゴニストに取り組み、抗うつ効果をさらに明らかにして、安全性や有効性の高いうつ病治療薬の開発を目指す。
鏈接地址:https://www.afpbb.com/articles/-/3323514
來源:2020年12月27日 法國新聞社(AFP)
通訊員:薑晨 記者:陳席元